すきなひとみーつけた。
駅前にあるハンバーガー店に向かって私たちは歩いていた。
私は何も考えずに、気になっていたことを何気無く聞いてみた。
「ねえねえ、
美咲はどうして彼氏とか作らないの?」
「んー?…好きな人がいないからかな」
「そう、なんだ」
ちょっとだけ俯いて美咲は言った。
…美咲は、
嘘つく時に間が空くのかもしれない。
でも、これは問い詰めることじゃないから流すことにした。
「葵。佐々木くんのこと、
頑張ってゲットしなよー?」
「げ、ゲットって…、頑張る。
ありがとー」
美咲は優しく笑った。
私の目を見て、少しさみしそうに。
私は、この笑顔にどんな気持ちが込められているのかわからない。