すきなひとみーつけた。




駅前にあるハンバーガー店に向かって私たちは歩いていた。


私は何も考えずに、気になっていたことを何気無く聞いてみた。



「ねえねえ、
美咲はどうして彼氏とか作らないの?」

「んー?…好きな人がいないからかな」

「そう、なんだ」


ちょっとだけ俯いて美咲は言った。



…美咲は、
嘘つく時に間が空くのかもしれない。

でも、これは問い詰めることじゃないから流すことにした。


「葵。佐々木くんのこと、
頑張ってゲットしなよー?」

「げ、ゲットって…、頑張る。
ありがとー」


美咲は優しく笑った。

私の目を見て、少しさみしそうに。


私は、この笑顔にどんな気持ちが込められているのかわからない。










< 10 / 38 >

この作品をシェア

pagetop