すきなひとみーつけた。





「…じゃあ、また後でな」

「うん!また来るねっ」



相澤が別れを告げると赤松花は高くて可愛い声で返事をしていた。

あれが一般的に言われる

“可愛い女の子”

だと思うと、私には到底無理だな、
と思った。


だいたい相澤は赤松花のどこが好きになったんだろう。



「ごうれーい」

「気をつけ、礼」



気の無い号令と共に授業が始まった。
けど私は授業に全然集中できなくって、ずっと相澤のことを考えていた。




…そういえば相澤って、彼女作ったことあったっけ?

中学の頃から同じクラスだったけど、そういう噂を一度も聞いたことがなかった。

しかも、相澤と仲良しだった私でも聞いたことがないということは、彼女がいなかったとしか考えられない。


その相澤がなんで赤松花?

目覚めた?もしかして目覚めたのか?
可愛い子に目覚めた?
それともあれか、
興味本位で?

それとも、ほんとに…

ほんとに赤松花に惚れたのかな…




一列挟んで斜め右前に座って真面目に授業を受けてる相澤の後ろ姿を、ばれないように盗み見した。


久々にじっくり見たけど、中学の時よりも背中も広くなってて男の子らしかった。




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