すきなひとみーつけた。
私たちの新しい教室、2-5に向かって歩きながら美咲と話していた。
「ねえ美咲。佐々木くんと同じクラスになれなかった」
「まじか…それはドンマイだね。
でもあたしがいるし!」
美咲は、励ますような笑顔でそう言った。
その笑顔につられて、
自然と私も笑顔になる。
ほんと美咲がいなかったらクラス最悪だっただろうな…。
「ここだよね、2-5の教室。」
「うん!入ろっか」
話をしていると、あっという間に教室についた。
私の学校は、
学年が変わると校舎も変わる。
二年は第二校舎だから、
初めて踏み入れる場所なので少し迷いそうだったけど…
無事に着けてよかった。
少しだけドキドキしながら教室の中に入ると、初めて見る顔がたくさんある。
「おー、また新藤と同じかー!なんか安心したような微妙なような…」
そんな中で、眉間にシワを寄せてわざとらしく意地悪に言ってきたこの人は、
相澤祐樹。
「な、なんで微妙なのー!
いいじゃん、腐れ縁だよ!」
このやり取りがちょっとだけ嬉しくて、安心した。
相澤は、小学校の頃から同じ学校で、
小三の時からずっと同じクラス。
なんだろ、
これこそ腐れ縁ってやつかな?
相澤は意地悪で、いつも私をからかったりしてくる。
わたしにとっては、一番仲良しな男友達。