すきなひとみーつけた。
班のメンバーは、明日のホームルームのときにクジ引きで決めるらしい。
美咲と同じがいいな。
あとは、誰でも…
ポンっと頭の中に相澤の顔が浮かんだ。
え!!ないない、なんであんなやつの顔なんかが…
ブンブンと頭を左右に振って、頭から相澤の顔を消していた。
そしたらタイミング良く美咲が来た。
「あおーい、帰ろ」
「うん、帰る!」
教室を出て、昇降口に向かうと相澤と赤松花がいた。
あえてなにも話しかけずその場を去ろうと急いでローファーに履き替えた。
なのに。
相澤は、ほんっとにバカだった。
「おーい、しんどぅー!メール、見とけよ!」
「は、はあ?!何その呼び方…」
相澤はいつになく満面の笑みで、私を見てそう言ってきた。
慣れない呼び方をして、
何がしたいんだろうこの人は。
赤松花だっているのに…
チラッと一瞬だけ赤松花に目を向けると、休み時間に見たあの鋭い目で私のことを見ていた。
ヒィィ…コワイ…
これ以上ここに居ることは危険だ、
と私の中の私が感じたのか、すぐさま立ち去ろうとした。
「見ればいいんでしょ、見れば!バイバイ!」
「おー」
この人は私が焦っていることを知っているのだろうか。
相澤は妙に楽しそうだった。
悪魔に見えた。
「行こう美咲!」
「う、うん」
一生恨んでやる…
そう心に決めて、美咲を引っ張って足早に校門に向かった。