すきなひとみーつけた。


「ほんと葵と相澤は仲良いねー」

「はあ?!どこが?あり得ない、あんな意地悪な相澤とは仲良いって言われたくない」


校門を出るなり美咲が冷やかすように言ってきた。

私は本音を言った。


実際あんな意地悪な相澤ほんとに嫌だ。
私ばっか嫌な思いするじゃない。
本当に意地悪。最低男。

赤松花、怖かったし…



「でもさー。赤松花の顔、うけた。
めっちゃ怒ってた」

そう言うと美咲はケラケラと愉快そうに笑った。

「もー美咲ったら他人事なんだから。ほんとに怖かったんだからね、あの目。いじめられたらどうしよ」


「だいじょーぶよ、あんた先輩でしょ?てか葵のこといじめたら相澤が黙ってなさそう」


美咲はどこまでも他人事のように話していた。
確かに私はあの子より一個上で、
先輩だけど…



「…相澤も一緒にいじめてきそう。」

「ぷっ。それ本気で思ってる?」

「本気だよ!ばか!」



見た目は私なんかよりずっと大人っぽい。
一緒に並んだら私が後輩に見られそう。

それにあの子もあの子で意地悪だし…、
相澤と付き合ってるくらいだから多分意地悪。


きっと一緒に私をいじめて…



「明日上履きに画鋲とか砂が入ってたらどうしよ…」

「あーほ!そんなバカみたいなことは流石にしないと思うよ」


大丈夫大丈夫、と美咲は私の背中を叩きながら言った。
けどやっぱ不安。



まあ、いっか。どうにでもなれ!



美咲のように広い心で構えていようと決心した。



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