すきなひとみーつけた。






「…じゃあ、また明日ね」

「うん。ばいばーい!」



駅に着いて、美咲と別れた。

美咲は今日駅からバスでおばあちゃんの家に行くらしく、私は久々にホームまで一人で来た。


…この前はここで相澤に会ったなー。
一人かー、そっか、私一人か。


いつものことなのに、今更一人で居ることになんだか寂しさを覚えた。



今頃相澤と赤松花は…


「はあ…」


別に相澤が好きとかそういうのじゃなくって、なんかやだな、って思う。

先に行かないで、って

一人にしないで、って


思ってるのかもしれない。



いろいろ考えるとため息ばかり出る。


『ドアが閉まります。閉まるドアにご注意ください』

プシュー


聞き慣れたアナウンスが流れた。



「…あ!!!乗り忘れてた!」


ホームに着くなり考え事をしていた私はボーッとしていたらしく、目の前に来ていた電車に乗りそびれてしまった。




バカみたい。


心の中で自分を貶しながら、ふと携帯を見た。



「…あ。」


『デコメール:新着メール一件』



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