すきなひとみーつけた。





「あ。そういえば、何で下山駅に五時って行ったの?」

「…あー。」


ずっと気になってたことを聞いてみた。
なんで呼び出したんだろ。

きっと、どうでもいいことだと思うけど…



相澤の隣を歩きながら、返事を待った。


「んー。あれだよ。あれ」

「あれじゃわからないから」


顎に手を当てて、考える仕草をするふりをする相澤。
かっこつけちゃってさ。



「あ、そう」

「だからなに。」



相澤は、ポンっと何かひらめいたように
手のひらをグーで叩いた。


なんでそんなもったいぶるんだろ。



「自然教室の班さ、」


「うん」


ピコンッ
ピコンピコンピコンピコン
ピコンピコンピコン



「「……………」」


タイミング悪く、相澤の携帯がなった。
それによって私たちは沈黙。


「ごめん。ちょっと待って」

「うん、だいじょぶ」


あの通知の速さと量的に、TUBE(個人トークや電話、TIMELINEなどが無料で使えるアプリ)でスタンプ連打でもされたのだろう。


「晴希かよ、だりー」

そう言って笑いながら指を素早く動かす相澤。なんか変な光景。



「ね。それ、返事しながらでいいから用件の続き言って」

急かすように私は言った。


「おー」



< 37 / 38 >

この作品をシェア

pagetop