すきなひとみーつけた。
…短い撮影と落書きが終わり、
シールがプリントされた。
「うっわー、この私、めっちゃ変な顔…」
「大丈夫、葵元が可愛いから」
一枚目は案の定変な顔。
美咲はフォローしてくれるけど、
私可愛くないし美咲が羨ましい。
美咲は背が高くて、足が長い。
切れ長の目に、高い鼻。
卵型の輪郭で薄めの唇。
ロングでストレートな髪の毛は、
ほんとに綺麗。
まじまじと美咲を見ながら考えていた。
なんで美咲は彼氏を作らないんだろう。
こんな完璧な子、なかなかいないし…
実際モテてるとおもうし。
「なに。あたしの顔そんなに見て。
なんか付いてる?」
深刻な顔で美咲は言った。
美人が眉間にシワを寄せた顔は、
なんだかレアに感じた。
「なんでもなーい。あはははは」
「む。葵は嘘つく時にわざとらしく笑うよね〜」
得意気な顔でそう言った。
ばれた、と思ったけど、
なんか嬉しかった。
自分の特徴を探してくれてるんだな、
って。
「それは気のせい〜」
「うっそだー!」
「ほんと!ほら、ハンバーガー食べに行こ!」
「う、うん。行く」
食べ物の話をすると、それに釣られて美咲は大人しくなる。
食べ物に弱い、美咲の特徴。