結局は君を、




「うわー、なにそれ!さっそく青春かます感じ?」

自販機から教室への帰り道ゆりはニヤケ顔で言う。


「そんなんじゃないからー!にやけんな!」

「とかゆってー?ふふふふふ」



なんだか気持ち悪いゆりはほっておこう。









「わたし、部活辞めようと思う。」



ある日の昼休みさゆみちゃんは、わたしと岸ちゃんを呼んでそんなことを言い出した。



「は?!なんで!!」


なんの冗談かと思えば……




「正直、美香先輩とうまくやってける自信、ない。」

まあ、確かに否定はできんがな。




「でもうちらもおるよー?」


「うん……。でも二人同じ中学やし、たまに話入れんことある。」




あ…、わたし気づかなかった。

岸ちゃんも何も言わない。というより、言えなかった。



「でも別に二人のせいとかじゃないから!全く!」



さゆみちゃんは柔らかく笑う。



「止めても無駄?」


「うーん、それに勉強ほんとにやばい。部活なんかしてる暇ない、かも……」




部活なんか、か。



「そっか。でも一応美香先輩に言わないとね。」



3年生がついこの間、4月の終わり選手権で敗れ引退したから、もう上には美香先輩しかいない。



「今日の部活のとき、うちから話すね!」

「うん……」



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