結局は君を、
「あ!もえー!岸ちゃん!」
二人で部活へ向かうと、美香先輩が遠くから呼んできた。
「急遽マネージャーミーティング開くよ!」
先輩の横には気まずそうな顔をしたさゆみちゃんがいた。何のことかは言われなくても分かる。
「はい……」
「さゆみがね、辞めたいって言ってるんだけど。」
「聞きました。」
「さゆみが辞めるならうちが辞めるよ」と先輩。
……っ?!?!いやいやなんでそーなる?!
「いやいやいやいや、先輩にやめてもらう必要ないです!わたしが勝手に……」
「だって、うちにも責任あるやん?」
いや百パーセントお前のせいだよ、という言葉は飲み込んで。
「先輩、それは違うと思いますよ」
ってなに自分もフォローしてんだよっ!
そのあといろいろ話したけど、さゆみちゃんの意思は意外にも固くて結局やめることとなった。
「3人で頑張ろうね。」
先輩は力なく笑う。
「「はい」」