叔父さんと私  ~危険な恋のレッスン~
叔父さんはカサリ…と新聞を閉じ、椅子を立って私の方にやって来る。
前に立たれると、広い胸が目の前にきてドギマギしてしまう。

「もう子供じゃない……か。
そういうこと、言うようになったんだな、栞も」

叔父さんは目を細め、柔らかな視線を落としてくる。
私は急に落ち着かなくなって、目を合わせずに言った。

「そ、そうだよ。もう……17なんだからね」

「そう、か」
叔父さんは「ふふっ」とイタズラっぽく笑うと、

「知ってる? 『もう子供じゃない』って言ってるうちは、
人間は子供なんだぞ」

そう言って、私の髪の毛をくしゃっとする。

「気を付けて行っておいで。
帰りに寄り道とか買い食いしちゃダメだぞ」

「……っ!!」

私は鞄を胸に抱くと「知らないっ、行ってきます」と言い捨てて玄関を出た。


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