叔父さんと私 ～危険な恋のレッスン～

叔父さん。
加瀬雪也。２７歳。
今、もっともセクシーと言われる若手恋愛小説家。

叔父さんと私に血の繋がりはない。
叔父さんはパパの弟だけど、親同士の再婚でできた兄弟で血縁関係はない。
だから私と叔父さんも、遺伝学的には他人。

そんな私と叔父さんが家族になったのは７年前。
パパとママが１０歳の私を遺して交通事故で亡くなった時だ。

私には叔父さん以外に縁者はなく、
見たことのない遠い親戚の人たちは初七日の席で、
一人遺された私を、ただ困惑のまなざしで見ていた。

胸が潰れるような沈黙……。
パパとママを失った悲しみよりも、
この世で一人ぼっちになった恐ろしさに私は震えていた。

そんな時、沈黙破るように、叔父さんが声をあげた。

「あの……栞のこと、僕が面倒みちゃいけませんか？」

その頃、叔父さんはまだ二十歳で、小説家としては駆け出しだった。
親戚の人たちは顔を見合わせたが、叔父さんは強い言葉でみんなを説得した。

そして、私たちは一緒に暮らすようになった。