涙はやがて虹になる

自分の部屋に入ると、
ベッドに座り込んだ。

学校から、抜け出したけど
一人になりたくない。

家にひとりなのは、やだ。

すごいワガママだと思う。

カバンから、ケータイを取り出して
慣れた手つきで 電話をする。

.....

「もしもし?玲奈?」

電話ごしに聞こえる安心する声。

この声が聞きたくて、かけた。
私と同じ高1だから、授業中なんだけど
でてくれた。

「亜嵐(あらん)...。」

亜嵐の名前を呼ぶ。

「どぅした?」

亜嵐の優しい声を聞いて
泣きそうになる。
それを必死にこらえる。

「会いたい...。」

すごく、迷惑なこと言ってると
思う。
ワガママ言ってると思う。

「わかった。今、どこ?」

「家...。」

「うん。すぐ行くから 待ってな。」

亜嵐は、優しい。
優しすぎる。

その優しさに すっごく甘えてる。
甘えすぎてる。

わかってるけど、頼らずには
いられなくて...。

甘えずには、いられなくて...。

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