涙はやがて虹になる
数分すると、亜嵐が部屋に
入ってきた。
急いで来てくれたんだと思う。
11月だけど、うっすら汗をかいていた。
「亜嵐...。」
会うなり、亜嵐に抱きつく。
香水とほんのり汗の匂いがする。
亜嵐も優しく抱きしめてくれる。
「うん。大丈夫だから。
大丈夫だから、玲奈。」
小さな子をあやすかのように、
優しく頭をなでてくれる。
壊れやすいものを抱きしめるかの
ように優しく抱きしめて
くれながら。