涙はやがて虹になる

数分すると、亜嵐が部屋に
入ってきた。

急いで来てくれたんだと思う。

11月だけど、うっすら汗をかいていた。

「亜嵐...。」

会うなり、亜嵐に抱きつく。

香水とほんのり汗の匂いがする。

亜嵐も優しく抱きしめてくれる。

「うん。大丈夫だから。
大丈夫だから、玲奈。」

小さな子をあやすかのように、
優しく頭をなでてくれる。

壊れやすいものを抱きしめるかの
ように優しく抱きしめて
くれながら。


< 15 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop