涙はやがて虹になる
3時間目が終わった後、
アイが登校してきた。
「カナ、サツキ、ユイ、玲奈。
おはよー。
今日、寝坊しちゃった。」
アイがいつもみたいに、
明るく声をかけてくる。
カナたちのイジメの標的が
自分になったとも知らずに。
カナたちは、雑誌の話で盛り上って
いるけど、アイの存在には
ちゃんと気付いてる。
なのに、アイなんか見えてないように
話を続ける。
「ねぇ、なんのはなし?」
アイも、聞こえなかっただけ
だと思ったらしく、カナたちの話に
入ろうとしている。
それでも、カナたちはアイを
無視し続ける。