幻物語
三
――紫様は重い病を患っております――
龍座さんの声が重く響き渡り、頭が真っ白になる。
「完治するのは難しいんですか?」
「手は施しましたが現状では病は進行しています。」
「そんな……」
「もしもの事態に備えて外出される時は護衛として我々も参ります。そして日和様に一つ約束して頂きたいことがございます。」
「お約束とは…?」
「紫様と二人になられるのは避けて頂きたいのです。」
箇月さんが辛そうに目を伏せた。
「なぜですか…?」
「不治の病だということに感づけば真っ先にあなたに問いただすでしょう。あなたは優しいから器用に隠し通したつもりでも紫様は見抜いてしまう。」
不治の病――?!
胸がずきずきした。
「日和様、お辛いでしょうがお忘れにならないで下さい。」
龍座さんの声が重く響き渡り、頭が真っ白になる。
「完治するのは難しいんですか?」
「手は施しましたが現状では病は進行しています。」
「そんな……」
「もしもの事態に備えて外出される時は護衛として我々も参ります。そして日和様に一つ約束して頂きたいことがございます。」
「お約束とは…?」
「紫様と二人になられるのは避けて頂きたいのです。」
箇月さんが辛そうに目を伏せた。
「なぜですか…?」
「不治の病だということに感づけば真っ先にあなたに問いただすでしょう。あなたは優しいから器用に隠し通したつもりでも紫様は見抜いてしまう。」
不治の病――?!
胸がずきずきした。
「日和様、お辛いでしょうがお忘れにならないで下さい。」