この愛に抱かれて
作本明美はリビングのソファで呆然としていた。


テレビのニュースを見ながら、証券会社の社員と電話をしていた明美は、自分たちの資産が想像以上に目減りしていることを知らされた。


そのころ、明美と健一は勤めていた会社を辞めていた。


自宅で株の取引に専念していたのだ。



「・・・」


電話を切った明美は顔面蒼白だった。


多額の投資をしたベンチャー企業の株は紙切れ同然になっていた。
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