この愛に抱かれて
幼い響子に、事の次第は分からなかった。


ただ、落胆している明美たちの様子を見て、良くないことが起きていることは感じていた。


笑顔の無いところに幸せは無い。


自分は、またどこか知らないところに行くかもしれない。


そんな予感がしてならなかった。



自らの力で道を切り開くには、響子はまだ幼すぎた。


いまは、ただ流されるままに生きることしか出来なかった。
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