この愛に抱かれて
そこは2階建ての古いアパートだった。



明美は106号室の呼び鈴を押した。


ビーッ!


こもったブザーの音が響いた。



明美が2回目を鳴らそうとしたとき、



カチャ、



鍵を外す音がしてドアが開いた。



「上がりな」

女の声だった。
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