この愛に抱かれて
ただ、そんな厳しい生活の中で、響子はある奇妙な充実感に満たされていた。


いままでは何処に行っても、すべて与えられるだけだった。



親を亡くした哀れな少女



そんなレッテルを貼られ、同情されていた。



だが、道子だけは違っていた。



親を亡くした同情など一切なかった。


生きるためには働くこと。



それが彼女の信念だった。
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