この愛に抱かれて
直樹はリビングに向かった。



広いリビングのソファに源太郎は座っていた。



「お父さん、ただいま帰りました」


直樹が深々と頭を下げる。



源太郎は何度も小さく頷くと 優しい眼差しで直樹を見つめた。



「だいぶ痩せたな」



源太郎がポツリと言った。



服役中、源太郎は一度も面会には行かなかった。



節や遥、博史たちは何度か面会に行っていたから、直樹の様子は分かっていた。
< 132 / 252 >

この作品をシェア

pagetop