この愛に抱かれて
開店前の客席で面接は行われた。



響子は持参した履歴書を差し出した。



店長が履歴書に目を通しているあいだ、響子は店の中を眺めた。



店内はそれほど広くなかった。


赤い椅子に黒いテーブル


落ち着いた雰囲気の店だった。



「住所が空欄だけど・・・」



「すみません。家、無いんです」
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