この愛に抱かれて
「博史?」

直樹が恐る恐る声をかけた。


「・・・ああ」

博史はひどい脱力感に襲われていた。


「お袋さんの具合は?」


「・・・意識が無いらしい」

直樹と佐山はハットした。


「今から東京に戻ろう」

直樹が博史に声をかけた。


「そうだな」

博史は弱弱しく返事をするのがやっとだった。

すでに頭の中は真っ白になっていた。
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