この愛に抱かれて
その日は、さすがに仕事が手につかなかった。


早めに仕事を切り上げ、響子は自宅へと急いだ。


部屋で、富田はテレビを見ていた。


Tシャツに短パン姿で、ソファに横になっていた彼は、響子を見るなり、

「あれ?どしたの?早いじゃん」と言った。



「うん。ちょっとね」

パチンコの話は、すぐには切り出せなかった。



着替えをした響子はリビングの床に座った。


富田はテレビのお笑い番組を見てケタケタと笑っていた。
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