この愛に抱かれて
「ねえ・・・ガクちゃん・・・」

響子は恐る恐る話しかけた。



「ん?」


富田はテレビのほうを見たまま、上の空で返事をした。



「最近・・・仕事はどう?・・・忙しい?」



「なんで?」



「ん?・・・今日ね、昼間、ガクちゃんのこと見かけたって子がいて」


富田の顔から笑顔が消えた。
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