この愛に抱かれて
翌日、開店前の店のフロアー



「彼と別れない!?」


華恋は人目もはばからず大きな声を上げた。


「ねえ、ミナミ。それはおかしいよ。今の彼は完全なヒモじゃない」



「ヒモは言いすぎですよ」


同僚の葵が華恋に言った。



「何でよ。女を働かせて、お金を貢がせてるのよ。それって完璧なヒモじゃない」

華恋の鼻息は荒かった。

妹のように慕っていた響子の不幸を黙ってみていられなかったのだ。
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