この愛に抱かれて
「私・・・、思うんです」そう言いかけた響子の顔を、華恋と葵が覗き込んだ。



「男が、女を養うのが当たりまえっていうのは、やっぱり不平等で、女が男を養ってもいいかなと・・・」



「あなたね、それって彼の都合のいい理屈でしょ? 楽したいからそんなこと言ってるのよ」



「そうですかね」



「葵、うるさいよ」



「あたしなら、彼のこと養ってあげたいなぁ」



「はあ?・・・まったく最近の若い子は何考えてるのかしら」



「そんなもんですよ」

葵はあっけらかんとそう言った。
< 186 / 252 >

この作品をシェア

pagetop