この愛に抱かれて
「とにかく、私は反対。すぐにでも別れたほうがいいって」

華恋は念を押すようにそう言った。



響子は迷っていた。



それは富田のことを愛していたからだ。



富田が会社を辞めた理由が、もしも自分にあるのなら、彼と別れるのは間違っているのではないか。



彼が苦しんでいるのなら、自分が支えてあげなくてはならい。


響子はそう思っていた。


そんな響子の思いとは裏腹に、富田は自暴自棄になっていた。
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