この愛に抱かれて
「買い物か。・・・仕方ない、俺が運転しよう」


直樹は一刻も早く博史を東京へ送りたいと思っていた。


滝川が戻るまでは1時間以上かかるにちがいない。

それまで博史を待たせることなどできなかった。


博史も免許は持っていたが、今の精神状態では到底、車の運転など不可能だ。

おまけに博史はチェスに熱くなってワインを飲みすぎていた。


自分以外に運転手は居ない。

アルコールは抜けていなかったが運転には支障ないと直樹は思っていた。


直樹たちは仕度を済ませガレージへと向かった。
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