この愛に抱かれて
それから三日後のことだった。



帰宅した響子は寝室の部屋を見て愕然とした。


ドレッサーや箪笥の引き出しが荒らされていたのだ。


部屋の床には 空になった宝石箱がいくつも散乱していた。


仕事用にとっておいたネックレスやピアスも無くなっていた。


泥棒じゃない


ガクちゃんだ


響子はすぐにピンときた。


力なく、落ちている箱を拾い上げた。


もう終わりだ


彼と別れよう


でないと、自分も駄目になる
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