この愛に抱かれて
そんなことを考えながら、ベッドの脇に目をやったとき



響子はハッと息を呑んだ。



落ちていたのは、赤いお守り袋だった。


和紙の包み紙もそばに落ちていた。



紐は解かれ、中は開けられていた。



両親の形見の指輪は無かった。



響子は自宅から一番近い質屋に駆け込んだ。


指輪はあった。


ネックレスやピアスなどと一緒に質入されていた。
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