この愛に抱かれて
途中、何度も声をかけられた。



ナンパしてくる若い子や同業者の勧誘など引っ切り無しに男が寄ってきた。



なかなか相手が決まらなかった。



ドキドキする思いで 目眩がしそうだった。



そんなとき、不意にある男に 目が止まった。



痩せたその男性は 辺りを眺めながら何か探しているように見えた。



響子は何の躊躇いも無く、その男に近寄った。



響子自身、自分でもなぜその男を選んだのかよく分からなかった。



ただ、本能のままに身体が動いたのだった。
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