この愛に抱かれて
リモコンのボタンを押すとシャッターはカタカタと音を立てながら上部へ巻き取られた。

ガレージの中にはイタリア製の真っ赤なスポーツカーがあった。

直樹の愛車だ。


2人はこの車で別荘まで来たのだった。


車に乗り込み直樹がエンジンをかける。


甲高い音がガレージ内にこだました。

直樹がクラッチをつなぐと車は静かに動き出した。


2人を乗せた車は一路東京を目指して走り始めた。


今まさに運命の針は動き出したのだった。
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