この愛に抱かれて
「君、嫌いなものは?」


「あ、ありません」


男はメニューを見ながら幾つかオーダーした。


「お酒は?・・・」

男が響子の顔を覗き込んだ。


響子は思わず照れて下を向いた。


「君、未成年?」


「ち、違います。二十歳です」


「じゃ、彼女に白ワインを」


「かしこまりました」

黒服を着たギャルソンがオーダーを受けて部屋を出た。
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