この愛に抱かれて
それから一週間後、直樹は響子に呼ばれ 店を訪れた。


「中井さん、本当にありがとうございました。お借りしていた5万円、お返しします」


響子はそう言うと、白い封筒をテーブルの上に差し出した。


「お金、大丈夫なの?」


「はい」


直樹は頷くと封筒をセカンドバッグに入れた。



「これからも、俺でよかったら何でも相談してくれないか?」



「え?」



「君の力になりたいんだ」


響子の頬がほんのり赤くなった。
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