この愛に抱かれて
「私が どれだけ事故のことや犯人のことを覚えているのか、探りたかったのよ」
「違う。それは違う」
「いいえそうよ。私が犯人に関して何も覚えていなかったら、これ幸いにとサヨナラするつもりだったのよ。
そのために善人面して私に近づいたんだわ」
「それは誤解だ。俺は、」
「フッ、フフフッ」
響子が目を閉じて俯いたまま 小さな声で笑い出した。
「私もつくづく馬鹿な女だわ。
自分を どん底に突き落とした男から お金を借りて感謝までして・・・、とんだお笑い種だわ」
「響子さん・・・」
「帰って!・・・。もう二度と来ないで!」
響子は泣きながら店の奥に歩いていった。
直樹はその場に立ち尽くした。
「違う。それは違う」
「いいえそうよ。私が犯人に関して何も覚えていなかったら、これ幸いにとサヨナラするつもりだったのよ。
そのために善人面して私に近づいたんだわ」
「それは誤解だ。俺は、」
「フッ、フフフッ」
響子が目を閉じて俯いたまま 小さな声で笑い出した。
「私もつくづく馬鹿な女だわ。
自分を どん底に突き落とした男から お金を借りて感謝までして・・・、とんだお笑い種だわ」
「響子さん・・・」
「帰って!・・・。もう二度と来ないで!」
響子は泣きながら店の奥に歩いていった。
直樹はその場に立ち尽くした。