この愛に抱かれて
音大の付属校に通う遥は休みを利用して別荘でピアノのレッスンをしていた。
「ブラーボー」
演奏を終えた遥に家庭教師の山口典彦が拍手を送った。
山口はヨーロッパのピアノコンクールで5位に入賞したことのあるピアニストだった。
加藤源太郎が山口の金銭的な援助をしていた関係で、定期的に遥の家庭教師を引き受けていた。
ソファから立ち上がると彼は遥のもとに歩み寄った。
「なかなか良かったよ。
16音符の旋律も綺麗だ。リズムもしっかりしていたし言うことは無いな」
「ありがとうございます」
遥はピアノの前でこくりと頭を下げた。
「で?秋の発表会は何を演奏する予定?」
「ポロネーズの6番を」
「ふむ。
じゃ、一回弾いてみようか」
「はい」
遥は静かにメロディを奏で始めた。
「ブラーボー」
演奏を終えた遥に家庭教師の山口典彦が拍手を送った。
山口はヨーロッパのピアノコンクールで5位に入賞したことのあるピアニストだった。
加藤源太郎が山口の金銭的な援助をしていた関係で、定期的に遥の家庭教師を引き受けていた。
ソファから立ち上がると彼は遥のもとに歩み寄った。
「なかなか良かったよ。
16音符の旋律も綺麗だ。リズムもしっかりしていたし言うことは無いな」
「ありがとうございます」
遥はピアノの前でこくりと頭を下げた。
「で?秋の発表会は何を演奏する予定?」
「ポロネーズの6番を」
「ふむ。
じゃ、一回弾いてみようか」
「はい」
遥は静かにメロディを奏で始めた。