彼氏契約書
「だって、お守りの組み合わせが、なんだか可笑しくて」

「そうですか?どちらも大事な事だし」


「・・・ありがと」

「…礼を言われるほどじゃないんで、大事にしてくれれば」

…和やかな雰囲気になった私と蒼空。


「あら!美緒じゃない?こんな所で何してるの?」

「…ヒッ」

この和やかな雰囲気を、一人の人物がぶち壊した。


「…美緒さん、知り合いの方ですか?」

蒼空は目を輝かせて聞いてくる。

…答えたくない。


「・・・もしかして、美緒の彼氏?」

ギャ~!!何言ってくれてんのよ!


「もう!お母さん、怒るよ!」

・・・言ってしまった。私は思わず頭を抱えた。


「あ、美緒さんのお母さんでしたか・・・

初めまして、僕は、美緒さんの秘書をしてる須藤蒼空と言います」

そう言って蒼空はペコリと頭を下げた。

それにつられて、お母さんも頭を下げる。


「まあまあ、秘書さんでしたか、いつも美緒がお世話になってます」

「いえいえ、僕の方こそいつもお世話になりっぱなしで・・・

彼氏としても」

ウギャ~!!!それを言うな!
< 10 / 173 >

この作品をシェア

pagetop