彼氏契約書
7.彼氏契約は無効
たった一夜の恋人との夜明けは、

幸せすぎて、切な過ぎた。

私を抱きしめたまま、気持ちよさそうに眠っている蒼空。


…私はそんな彼にキスする。


それでも蒼空は目を覚ますことなく、

気持ちよさそうに眠っていた。


…それを良い事に、私はベッドから抜け出し、着替えを済ませると、

ある書類を取り出し、眠る蒼空の指を、その書類に押し当て、

ベッド脇のテーブルにそれを置き、

静かに部屋を出ていった。



「…さよなら、私の恋人」

そう言葉にしたら、泣きたいのに、笑ってしまった。

…このまま、気持ちの整理がつくのは、いつになる事やら。



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