彼氏契約書
「・…オレは構わない。

でも、2年が限度だぞ・・・

専務の適任者は、美緒以外いないんだから」


そう言って溜息をついた社長。


「…我が儘言ってすみません。

しっかり勉強して、0から始めたいんです」


そう言って私はちょっとだけ笑顔を浮かべた。



「美緒の我が儘なんて、初めてだからな・・・

聞かないわけにはいかないだろ・・・。

ったく。理由も聞かないで、許可を出すオレもオレだけどな」


そう言った社長は、私の頭をポンポンと叩いた。


「…午後から宮路社長の所に、正式に行く契約だが…

本当に一人でいいのか?…オレも一緒に行けるが?」


「…いえ、一人で大丈夫です」

そう言った私に、頷いた社長は、専務室を出ていこうと、ドアノブに手をかけて、

止まった。



「おい、美緒」

「・・・なんですか?」
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