彼氏契約書
「オレの気持ちは、ずっとお前にあるんだ…

苦しくなったら、オレを頼れ…

一人で無理ばっかりするな・・・

鋳薔薇の道を、傷だらけで走ってる美緒は見ていたくない。

オレなら、美緒を、どんなものからも守ってやれるんだからな」



「…嬉しいお言葉、ありがとうございます・・・

その言葉だけ、受け取っておきます」


「ったく、強情な女だな」


「・・・なんとでも」


私の言葉を最後に、社長は部屋を出ていった。


…後は、美麗社長だけ、か。


私は、顔をパンと一回叩き、気合を入れた。



・・・大丈夫。

今までずっと一人で頑張って来たんじゃない。

これからだってやっていけるよ美緒。



そう自分に言い聞かせて。
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