彼氏契約書
「フランスに行って、強情さに磨きがかかったな?」

『・・・そんな事ありません。社長が変なこと言うから…』


…どうしたら、彼女が素直になるのか。


「まぁいい。あんまり無理するなよ」

『毎回言われなくても分かってます・・・

社長もくれぐれも、暴走しないでくださいね?

社員達が怒りますよ?』


「…フッ。わかってるよ、じゃあな」


携帯を切り、デスクの上に置いた。

その時だった、ノックもナシに扉が開いたのは。


「…いつもアポなしで来るのはよせ。

社長のくせに、暇なんだなお前は…」

そう言って入ってきた奴の顔を呆れ気味に見る。


「忙しいに決まってるでしょう?

今日は、ショッピングモールの店の状況を報告しに来たのよ」


そう言ってブー垂れてるのは、美麗。


「そんな事、毎回担当者から報告を受けてるが?」

「バカ言わないで、今日の売上聞いたの?ありえない金額よ?

店内の商品はほとんどが、彼女のデザインだって聞いたんだけど」
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