彼氏契約書
【美緒side】

今日も一日勉強に没頭して、帰りにはウィンドウショッピングで、

どんな服があるのかデザインを見て回る日々。


「…蒼空」

そんな最中、突然現れたのは、蒼空。


「…ソラ?」

呪文のようにそう呟き、私を見下ろした。


「…すみません、人違いです」

そう言っていこうとした私の腕を、彼はギュッと掴んだ。


「ちょっと、夕飯付き合ってくれない?」

「え?あの!」

驚き拒否する私の事などお構いなしに、蒼空に似ても似つかない男は、

私を引っ張り、一軒のレストランへ。


「・・・・」

私はだんまりを決め込んで、彼を睨んだ。


「そんなに怖い顔しないで。…日本人に声をかけられたのは初めてだったからさ」

そう言って微笑んだ・・・やっぱり、蒼空に似ている。


そう思うと、怒る事も忘れてしまった。
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