彼氏契約書
色んな事が一度に起こり過ぎて、

正直頭の回転がついて行かない。

・・・でも、なんとは頭を回転させ、すべての状況を呑み込んだ。


「もう、自分の気持ちに、嘘をつかなくてもいいの?」

真っ直ぐに蒼空を見つめ、問いかける。


それを見た蒼空は優しい笑みを浮かべ、小さく頷いた。


「声を大にして、蒼空を好きだって言っていいの?」

その問いかけにまた頷く。


「…傍にいてもいいの?」

最後の問いかけは、震えて声になっていないよう。

それでも蒼空はしっかり頷いてくれた。


「僕の傍に、ずっと…一生いてください」

プロポーズにも聞こえてくるようなそんな言葉だった。


嬉しくて、私はその場で泣き出してしまった。

・・・いい三十路のおばさんが、公衆の面前で泣くなんて

可笑しいかもしれない。

でもそれぐらい、嬉しかったから・・・。
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