彼氏契約書
「ちょっと、須藤?!」

会社の中なのにもかかわらず、蒼空は、私の手を取ると、

早足に歩き出す。

恥ずかしいやら・・・

周りの冷たい視線が痛いやら・・・

私は一体どうすればいいんだろう?


もがくとかえって目立つし・・・。

下を向くと、威厳が下がるし・・・。
(一応専務ですから)

…と言う事は。


堂々と、前を向いて歩くしかなさそうだ。

私は痛い視線をもろともせず、背筋をぴんと伸ばし、

前を向いて歩いた。


「…美緒さん」

「・・・何?」


「どうして急にそんな事を想ったかは知りませんけど、

僕には、美緒さんしかいませんから、ご心配なく」


「///?!」

・・・そんな事を言われては、顔を赤くせずにはいられないっての。
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