彼氏契約書
「…蒼空、ちょっと言い過ぎじゃ」

専務室の中、ポツリと呟いた。


「…じゃあ、あの誘いを受けてもよかったと?」

「・・・・」

ダメに決まってんじゃない。


「もしあの中の誰かと何かあったらどうします?」

「?!」

蒼空の言葉に、目を見開いた。

すると、蒼空はフッと笑った。


「・・・な、何笑ってんのよ」

「だって、美緒さん分かりやすいから」

「・・・・」


「僕には美緒さんだけって言いましたよね?」

「それは・・・」

確かに言ったけど。

蒼空があんまりモテるから・・・。



「僕の目には、いつもどんな時も、貴女しか映りません」

そう言った蒼空は私を優しく包み込んだ。

…この腕は、離さなくてもいいんだよね?
< 141 / 173 >

この作品をシェア

pagetop