彼氏契約書
それからというもの、蒼空の周りでは、

あまり女子社員達の視線、黄色い声などは少しばかり

和らいだ(本当にちょっとだけ)


だから、私は安心して、蒼空の隣にいられた。

プライベートでも、蒼空との関係は順調で、

本当に恋人らしくなってきた。


…彼と過ごす時間が、私にとって、かけがえのない時間になっていた。


そんな時だった。

突然、約半年、新人秘書を専務室で預かる事になった。


「…可愛い、お人形さんみたい」

私の口からそんな声が漏れた。

だってそう思える位、可愛い容姿をしていた。

150センチ弱の身長、細身な体型なのに、モデルさんみたいに

ラインが整っていて、顔は童顔なのに、フェロモンが出ている、

不思議な子。


「初めまして、多嶋薫子と言います。至らない点はどんどんしごいてください」

そう言って頭を下げた薫子。

・・・ん?…多嶋?


私は薫子をマジマジと見つめた。
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