彼氏契約書
【美緒side】

・・・う``。頭痛い。ちょっと飲み過ぎたか?

私は痛い頭を抱えたままゆっくりと目を開けた。


「おはよう、美緒」

「・・・・」

私の布団の中、私の横でそんな声が聞こえた。

私は夢うつつの為、誰なのかまだよくわかっていない。


「もう、お昼ですよ」

「・・・す、どう」

「蒼空だって言いましたよね?」

「…寝よ」

これは夢だ。現実なわけがない。だって、ここは私の家で。

…いや、違う。

私は昨晩、蒼空の家に連れ込まれ、飲み直しだと言われ、

結局飲み過ぎて、眠っちゃったんだ。

…じゃあ、今私が寝てるのは、…蒼空の布団?!


思わず私は飛び起きた。

「ッツ!!!」

「急に起きるからですよ・・・ちょっと待っててくださいね」

痛がる私の頭を優しく撫でて、蒼空はベッドから起き上がり、

キッチンに向かっていった。

・・・

「はい、水」

「・・・ありがと」
< 15 / 173 >

この作品をシェア

pagetop