彼氏契約書
「何でそんなに苦しまなきゃならないんだ?

…もし妊娠が確信に変わったら産むのか?」


雄一の言葉に頷いて見せる。

そんな私を見て、雄一は溜息をつく。


「美緒の事だ、アイツと上手くいかなくても、

その子の事は産むんだろ?」


もう一度頷いて見せる。


「・・・ホント、お前ってバカだよな」

「…こんな性格なんだから、仕方ないじゃない」



「・・・その子の父親になってやるよ」

「…バカ言わないで」


「一人で子育てなんてできるか、バカ!

美緒にも、その子にも、幸せになってもらわなきゃ困る。

だから、オレがいるって事、絶対忘れるな、いいな?」



「…雄一ってお人好しだったのね」

「…美緒にだけだ」


雄一の優しさが、心に沁みた。
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