彼氏契約書
・・・そんなこと言ってるけど、

本当は、私の事を考えての行動だってわかってる。


「…ありがとうございました」

「…礼言われる事なんて、何もしてない」


「社長はやっぱり、お人好しなんですよ」

そう言って微笑む。

社長のお人好しは、人の為にするものだから、

私はそんな社長が好き。



「全くだ、好きのんな一人、この手にできないなんて、

とんだお人好しだ」


そう言って社長は苦笑いをしていた。


しばらく談笑していると、ノックする音が聞こえた。


「大事な旦那様の登場かな…オレは帰るよ」

「蒼空と、話しはしないんですか?」


「話しなんてしてたら、結婚なんてやめちまえって言いそうだから、

帰る」

そう言ってドアを開けた。


「結婚は止めませんよ、社長」
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